▪️スマトラオオヒラタクワガタ
Dorcus titanus

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インドネシア スマトラ アチェ
CBF3

♂92.5mm【2014年5月羽化】
♀47mm(4.8g)【2014年4月羽化】

ギネスサイズ:
野外102.5mm
飼育104.2mm
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▪️2014年12月27日 成虫ペア入手

大宮で行われたDEAD OR ALIVEにて購入。

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95mmペアが3000円だったので即決。
店員さんが言うには兄弟で104mm迄出ている大型血統とのこと。

ん?スマトラオオヒラタで104mm??

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まずサイズ感についてウダウダ。

「95mm」なんて私が飼育を始めた一昔前は超特大っていうイメージがあるんですが、
今は一部情報では非公式で107mmが出ているようです…。

「オオクワガタの飼育ギネスが野外ギネスを大きく上回っているのだから、
○○クワガタも野外ギネスをオーバーすれば○○mmまではいけるはず〜」
なんてよく考えたりしたものですが、
このスマトラヒラタも多くの飼育者がいながら野外ギネスを中々上回れなかった種類でしたよね。

ちょっと『BE-KUWA』のバックナンバーを見てギネスの変遷を確認してみました。

2002年 95mm
2003年 96mm
2004年 99.7mm
2008年 101.6mm
2010年 102.5mm
2011年 104.2mm

→うんうん、やっぱり95mmは特大だったよなぁ(遠い目

スマトラヒラタにも血統の概念がだんだんと広まり始めて、
そこからここ数年で急激に大きくなってきた感がありますよね。

血統といえば、5〜6年くらい前だったかなぁ?
本当にその値段で取引されたかどうかの真偽は別ですが、
ビッダーズで100mmオーバーの血統個体に150万円がついたこともありましたね。

あ、ちなみに完璧に蛇足なんですが、
95mmとして購入した本個体、数週間後に計測してみたら92.5mmでした…orz

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次に産地についてウダウダ。
大昔はノースタイプ、サウスタイプと呼ばれていましたが、(こんなん覚えてる人います?)
安定して「内歯下がり」が出るアチェ産に人気が出て、
今は「アチェ州のシディカラン」など詳細産地がついているものが流行りのようです。

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私はアチェといったら吉田賢治氏のこの本を思い出してしまいます。
たまたまこの本に掲載されているアチェ産がかっこいいっていうのもあると思うんですけど、
この本で「アチェ」ってかっけーなー欲しいなーなんて思ったものです。
(この本に載ってるクリンチもチョーかっこいいんですけどね)
今でも「次何飼おうかな〜」なんて時はこの本をペラペラ。
おすすめの一冊でございますm(_ _)m

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血統化によっていくら超大型個体が出ていようが、
そうした個体は一部のベテラン飼育者さん達の話だと思うんですよね。
ちなみに10年程前にアリストさんでアチェ産のWILDを購入した際は、(76mm×40mmペア)
WF1で90mmまで出したようなので、(HP版オオカブトの部屋ご参照)
今回の目標は95mmに設定。

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ということで前置きが大変長くなりましたが、個体紹介。

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この顎。
相撲とかバトルとか興味は無いんですが、
個人的に昆虫界最強はオオヒラタだと思うんですよね。

こんなんに挟まれたらリオックでも瞬殺でしょ…。
というか防御力も恐ろしいと思うんです。

…なんでこんなこと言うかというと、

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撮影中に挟まれて親指の腹から側面にかけて貫通し大流血しましたorz

「水につけると離す」個体が多いのは事実なんですが全然離してくれず、
噛み直しされまくって結局穴あいちゃったっていう…。
(水に入れた瞬間は120%のパワーが出るので要注意)

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いや〜恐ろしい。

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ヒラタだけにひらべったい体型。
知り合いにウロに指突っ込んで国産ヒラタを採集するツワモノもいますが、
スマトラ島では絶対にやりたくないですね…。

ちなみに現地では高地のアルキデスとの競合を避けるためか、
低産地に多く、マメ科の木やアカシアの木で採集されるそうな。
(『クワガタ・カブトムシ飼育大図鑑』(世界文化社)より)

▪️2015年1月6日 産卵セット

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コバシャの中サイズにマットは産卵一番固詰めでランボク2本。

潜りやすいように材の脇にトンネルを掘ってあげました。
ペアリングさせるのめんどくさくて同居させちゃいましたがオススメしません。
…ケースがかなり小さく見えるなぁ。

▪️2015年2月16日 割り出し
 
少数採れればいいやなんて思っていたんですが、
本当にちょっとしか採れませんでした。
7頭位だったかな?
採れた幼虫はブリーダーズファームの大夢200ccカップに。

▪️2015年4月4日 ボトル投入
 
♀3匹は500ccクリアボトルにランバージャックさんのオリジナルブナ菌糸を詰めたものへ投入。
♂と思われる2齢2匹は同菌糸を1400ccクリアボトルに詰めたものへ投入。
プリンカップ内で死亡している個体が2〜3匹いたかと思います。

▪️2015年7月13日 ♀羽化確認 

♀3匹の羽化を確認。
自力脱出するまで放置。 

▪️2015年7月25日 ♂1号 ボトル交換

1400ccの菌糸を8割ほど喰っていたので交換。
ボトル側面を見て、やけにでかいな〜なんて思って掘り出すと、

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でかっ。

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200ccカップを食わせてからのボトル投入とはいえ、
ボトル1本で67gまで成長するとはびっくり…。

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とはいえ、最大では80gに達する個体もいるそうです。
お友達曰く70gを越えれば100mmも狙えるとのこと。

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これもう暴れさせないで蛹室作っちゃって〜
と思い、RTNさんのUマットを詰めた2300ccクリアボトルへ。期待大。

▪️2015年8月6日 ♂2号 ボトル交換

 ♂2号も交換の頃合いになってきたので交換。
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こちらは55gでした。

前回の1号の交換の後に2300ccでは小さいなぁと思い、
この♂はUマットを詰めた4200cc容器に投入しました。 

▪️2015年9月15日 ♂2号 蛹化

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55gだった個体の蛹化を確認。
蛹体長80mm、蛹体重33g。
過去の飼育データを参照するに90mm越えるか越えないかくらい。

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ちなみにこんな感じで蛹室作ってました。

▪️2015年10月15日 ♂1号 蛹化

 期待の1本目で67gまでいった個体が蛹化。

体重を測ると、 














30.9g。




アレ???


どうやらめっちゃ暴れたみたいです↓ 


▪️2015年10月27日 ♂2号 羽化
 
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見事?蛹で逆転していた大きい方の個体が羽化。

どう見ても羽パカです。
本当にありがとうございました。

▪️2016年1月26日 羽化個体紹介
 
前回の♂の約1月後に幼虫時67gの♂も無事に羽化。(小さいですが…)


①♂1号
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2/16 割り出し 大夢200cc
4/4   2齢♂ ランバージャックブナ1400cc
8/6   67g Uマット2300cc
10/15 蛹 30.9g
11/下旬 羽化 88mm

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決して超ミニサイズというわけではないんですが、
1本で67gという期待があっただけに残念orz

②♂2号
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2/16 割り出し 大夢200cc
4/4   2齢♂ ランバージャックブナ1400cc
8/6   55.1g Uマット4200cc
9/15  蛹 33g
10/27 羽化 91mm

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ブリードには問題なさそうですが羽パカ…。 

③♀1号
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2/16 割り出し 大夢200cc
4/4   3齢ランバージャックブナ500cc
7/13 羽化47mm


④♀2号
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2/16 割り出し 大夢200cc
4/4   3齢ランバージャックブナ500cc
7/13 羽化46mm 両顎欠け
 

⑤♀3号
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2/16 割り出し 大夢200cc
4/4   3齢ランバージャックブナ500cc
7/13 羽化47mm 右顎欠け。

▪️まとめ
 
・蛹化をスムースにさせようと最終ボトルをマットにしたが、逆効果だったかな?
 →「数撃ちゃ当たる作戦」で菌糸で最後までいったほうがいいかなぁ。
  2♂しかいなかったのが悔やまれます。
・とはいえ以前アチェやベンクールのWF1を飼育した際のアベレージは800cc1本目終了時に45g前後だったので、
 大きくなりやすい血統であることは間違いないように思います。
・最初はプリンカップで判別してからの〜1400ccボトルで十分体重はのることも学習。
・♀は200cc→500ccボトルで十分の様に思うが、800ccだったらどうなったかも見てみたいところ。
 →ただ500ccだと、蓋までの距離が近く、蓋を削って顎欠けしてしまうので次回は注意したい。


う〜ん、92.5mmの親越えもならず。
という残念な結果なので、
リベンジブリードで数撃ちゃ当たる作戦を展開したいものですd( ̄  ̄)

ただデッカい種類もシンプルに迫力あっていいですよね(^^)
オオヒラタの魅力を再確認できました。