■ギラファホソアカクワガタ
Cyclommatus giraffa

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産地:マレーシア ボルネオ サバ州 クロッカー山 
累代:WF2
状態:♂39mm×♀24mm ♂31mm×♀25mm【2019年10月上旬〜中旬羽化】
購入価格:5,500円

レコードサイズ:
野外78.5mm
飼育63.5mm
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■2019年11月中旬 成虫入手

ヤフオクにて購入。
高騰が落ち着いて手頃な価格になったので初挑戦。

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ハサミムシサイズの2ペア。
というのも本種は飼育で大型を羽化させるのが難しいらしいです。
過去のBE-KUWAレコード(当時ギネス)の審査員コメントを見るに
ボルネオ産キクロの中では最も飼育が難しいんだとか。

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代表して大きい方の♂39mm。
この個体だけ見ると野外最大78.5mmいく虫とは思えないですが、
大図鑑やBE-KUWA19号のプレート個体、めっちゃカッコいいんですよねぇ。

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斜め45°から。和バサミって感じですね。
これでも超ミニサイズって訳でもなく、大体ヤフオク見てると35〜40mm前後が多い印象です。

■2019年12月14日 産卵セット

♂39mm×♀24mm、♂31mm×♀25mmと2ペアに分けて、
1800ccブロー容器で産卵セット×2。
マットのみでUマット+自作マットをネブトに喰わせた喰いカス。 
本来であれば小プラケで材入りセットしたかったんですけど、
ブリードルームの引越しもあってとにかくコンパクトに。
過去の書籍を見ると産卵も難しいとか書いてあるんですけど、
皆さん普通に産ませているようなのでこんなもんで良いかなと。

■2020年1月25日 幼虫確認

♂39mm×♀24mmのセットに幼虫確認。
色々ドタバタしていて見て見ぬ振り。 

■2020年4月6日 割出し

産卵セットボトル内に3齢幼虫が見えてしまっていたので割出し。
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結果は2齢幼虫中心で24匹。
小さい方のペアはこのセットはボウズでしたが、
その後、少数ながら取れました。
(データ残しておらず失念しましたが一桁代だったと思います。)
 
採れた幼虫はなるべく若齢を選んで大きいボトルから、
1500cc、830cc、460ccカップへ投入(ネブト用自作マット)。 

■2020年8月10日 2齢羽化

「2齢羽化ってなんやねん」と思ったそこのアナタ。
アレです、例のアレです。
3齢幼虫を経ずに飛び級してしまうアイツです。

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何気な〜くボトルを見ていたら、蛹室発見したんですよね。
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メスなんですけどルリクワガタ級。
「えっ、こんな小さいの」と。
これ1500ccボトルじゃなくて830ccボトルです。
一緒に映るは親指の爪。羽化したら15mmないんじゃないかって感じ。



で、1500ccボトルの方見るとマット上になんかいる。



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(笑)

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不全ですが計測すると19mm切ってる。
「ちびレコード、野外最大サイズの3分の1が限界説」を
思いっきりぶっちぎっちゃってるじゃないですか、と。

いやいやいやいや、ここまでボルネオキクロ難しいと思わんかったわ。 

…と思って他のボトル見ると種類違うだろってサイズのデカい幼虫や蛹が見える。
…あぁアレですか、2齢羽化引いちゃいましたかとここで納得。

後日、他のボトルからも2匹羽化しまして(不思議と幼虫期間は通常個体とあまり変わらないんですよね)

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完品は23.9mmが最小でした。

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先日の個体との比較。

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メスは18mmが最小。

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ほぼ完品なんですが♂同様によく見ると頭部の嵌り方が奇形。
2齢羽化特有の特徴なんでしょうかねぇ。

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通常個体というかやや大きめの♀29.5mmとの比較。
2齢羽化個体はもう1メスいたんですが蛹の状態で死んでいました。(冒頭、親指の爪と比べた個体)

■2020年8月〜10月上旬 早期組羽化
 
460ccカップや830ccボトルの個体を中心に羽化してきました。

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♂39.5mm【2020年8月中旬羽化】460ccプリンカップ

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親とおんなじようなサイズです。

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♂46.5mm【2020年9月上旬羽化】830cc1本孵し

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この辺からハサミムシ突破かな?

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♂50.5mm【2020年10月4日羽化】830cc一本孵し

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根元のギザが少なくなってきました。

■2020年10月 期待できそうな蛹発見

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1500ccボトルの個体を試し掘り。
結構デカそうです。

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おっ、大歯形に出現する内歯も出そうですね。
正直ギラファホソアカに関しては全く期待してなかったんですが、
これは中々サイズが期待できそうです。

■2020年11月上旬 期待の蛹 羽化

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蛹時の各部計測でレコード超えが見えていたので、
この個体は立ち会うべってことで羽化立会。
2回くらい転んでて焦りましたね。

ギラファホソアカでもこのくらいのサイズになると
顎の真ん中は固まらずに折れ曲がりを想定しているんですね〜。

期待できる個体の時って
先走って各部遠目に計って妄想しちゃう人多いと思うんですが、
頭部の根本〜顎先で約36〜37mm、前胸先端〜上翅末端で30〜31mm。
頭埋まっても66mmくらいはいきそうです。

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心配していた羽パカもせず、一安心。
羽化直後のこんな時点で計測したって意味ないんですけど66mm弱。
キタわこれ。

■2020年10~11月 1500cc後半組 途中経過
 
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めんどくさいので現時点の結論から言うとこんな感じ。
(他にも羽化してますが同時期羽化の代表個体グラデーション)

小さい順に
50.5mm(前蛹時4.28g)
54mm(蛹時4.40g)
58.5mm(蛹時5.1g)
??mm(蛹後期時5.79g)

気になる結果はと言うと…

■2020年11月29日 計測

羽化から4週間程経ちまして体も固まったので計測。
現飼育レコードが63.5mmなので64.0mm以上で2021飼育レコードに応募可能です。

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ブログ用画像撮影のために久しぶりにこんな準備しましたよ。

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ほい。

63.8mmでした…orz
まぁブログにUPしてる時点でお察しですね。
「4週間経ちましたので計測」とか言ってますけど正直羽化後1週間後くらいから64mm切るまでは3日毎には測ってましたね(笑)

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この集合写真を撮ったのが約2週間前なんですけど、
この時点では64mmUPしてたんですよねぇ( ̄▽ ̄)A

この後、もう64mm切るのが濃厚になった時点でこの個体では応募できないので
興味は薄れてしまいましたが、
一応レコードオーバーなんだし
今日になって久しぶりにブログでも書こうかなと。

まぁキクロ結構縮むのは知ってたんでダメかなとは思っていたんですけどもけども。
2020レコードでホソアカ1種レコード取り逃してたんですが、
意外なところからレコードチャンスって来るもんなんだなぁと。
この1ヶ月くらいブリードルームのひとときがちょっと楽しく過ごせました。

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改めて♂63.8mm。
一応上から最大内歯も見えるし大歯型でいいでしょ。

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横。

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裏。
ちなみにですが
裏っ返せば55mmくらいの個体でも内歯出てました。
 
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かっこいい。



カッコイイ。



かっこいいようん。



でもかっこ悪くないですか?

小さい個体に比べれば断然かっこいいけどさぁ。 
正直レコードオーバーでもこんな姿形(歯形)にしかならんのかって。 
これはもう1サイクルやってみようかなぁと。


■まとめ(次世代に向けた「自分用」メモ)
 
・次はド初齢投入しろ。1匹見えたら割れ。
・ネブト用でいいので熟度変えようとするな ラス前加水もう一回して大丈夫。
・ホソアカに使うと結果がバラけるのは多分仕様で「向こうあわせ」になってる。
・おそらく突き詰めれば2本孵しの方が良いと思うけど、MAX体重時が見えてしまう時期に交換は×。
 今の熟度と加水方法ならレコード更新は1本孵しで十分なレベル。
 (実は1本孵しにそこまで幻想抱いてないというか拘ってないけど、でもやっぱり1本孵しが後々検証しやすいので好き。) 
・温度は今のままでよし、マット優先。
・めっちゃ羽化力(ウカヂカラ)強いと思う。放置でOK。
・でも変態時期は温度念のため昇温(今回同様) 
・次回も1500ccで良い。フィルタも同じ。詰め圧残せれば1800ccも試したい。



■感想

同じ1500ccボトル飼育群から2齢羽化の19mmが出たり、
かと思えばレコードオーバーが出たりと中々楽しいワンサイクルでした。

リバイバルWILD入荷の高騰時よりも、
価格的にこなれてきた時期の方が飼育の上手い古参ガチ勢が参戦してくると思うので
来季あたり普通に誰かがレコード大幅更新しそうではあります。
(豆粒リフレイン問題はありますが)

まだ全て羽化していないのですが、
念のため私も締め切りまでにもう1サイクルいってみようと思います( ̄▽ ̄)
1サイクル目だったので、本当に産卵難しいんかこれとかなんも言えないですけど
やりがいのある種類だと思いますので皆さんも是非!